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原稿の話

 「化学物質の長距離・大気輸送」の原稿に関する昨日の続き。

 福島の原発事故により、欧州の大気中放射性核種濃度がどう変化したか、という論文を読んでいる。驚くべきは著者の多さで、その数なんと82人。著者名と所属の記載だけで1ページ半を占める論文を見たのは初めてだ。

 欧州はチェルノブイリ事故の後、各国に放射能測定のためのモニタリングポストを数多く配置したようで、今回の事故による広域的な経過観察に役立っているようだ。

 事故後7日目に、福島由来と思われるヨウ素131が欧州で初めて確認されている様子が、実測値を示した図に描かれている。セシウム137はそれより少し遅れて検出。

 現在、化学物質の長距離・越境移動の解説に、放射性核種は重要な位置を占めよう。専門外ではあるが、論文やその他資料等から情報を集めて、原稿に反映させていければと思う。



図書館

今年1月、ある和文雑誌から総説原稿の依頼を受けた。まだまだ先と思っていた締切日が意外に目前に迫ってきていたので、連休の少し前から執筆を開始した。

 総説を書く際にいつも感じることは、「頭で理解していることを文章にするのは、意外に手間と時間がかかる」ということ。
 例えば「化学物質の長距離移動性」をテーマにした場合、人前で話をするだけなら、1960年代に南極のペンギンから有機塩素系農薬が検出されて・・・といった感じで、頭の中に整理された情報を伝えれば、たいてい事足りる。

 ところが、いざそれを文章にしようとすると、頭の中の情報は本当に正しいかどうか確認しないと不安になる。人間の記憶は元々あいまいなことに加え、文章は今後ずっと残るので、誤った記述はできるだけ避けたい意識が働くのだ。

 そうなると、原著論文には必ず目を通して、試料の採取場所、分析した組織名称、分析検体数、分析法、分析結果(濃度値)等の詳細を把握した上で、必要な部分を選択して文章にするという流れが出来上がる。
 たいてい、こういう論文は古い時代に出版されたものが多く、普段やっているようなネット上からダウンロードできないものも含まれてくる。そこで今日は、久しぶりに学内の図書館に行ってきた。

 受付に一声かけて地下2階の書庫へ。ひんやりした空気が空間を包み、「静謐」といった言葉が似合いそう。休日なのに、二人も先客がいて驚いた。文系と思しき学生さん、結構勉強熱心。

 あらかじめ検索した論文が掲載されている百科事典のような冊子体を見つけて、受付まで持っていき、自分で必要部分をコピーして元の所に戻した。

 やっていることは20年前とほぼ同じだが、思えばそのころは論文一つ手に入れるにも、今では想像できないほど手間と時間がかかった。直接、著者にハガキを出して数週間待つ、といった牧歌的な時代。

 でも、自分あてに海外から封書が届き、著者のサイン入り別刷論文を手にした時は、本当にうれしかったことを覚えている。


 非効率も悪くない。

 久しぶりの図書館で、昔を懐かしく思い出したゴールデンウイーク休日の午後でした。



M君、おめでとう。

 教員になって最初に縁があった卒室生から、第一子の誕生を知らせるメールが赤ちゃんの写真とともに送られてきた。

 まだ手がふやけているようで、生まれたてホヤホヤ感がてんこ盛りといった感じ。鼻筋がしっかりしていて、利発そうな男の子。

 M君と奥さまのYさん、心よりおめでとうございます。育児を楽しんでください。



 朝のEテレの番組「0655」で、たまに「レタスレタス」という曲が流れている。木村カエラさんがテンポよく歌っていて、いつも聞くたびにサラダが食べたくなる。

 単純ですね。

 

論文に関するひとり言

 執筆中の八代海関係の論文。3月の渡米時に書き始めて8割方仕上げて帰国。遅くとも4月上旬に完成、投稿という流れで行きたかったのだが、ここにきてなかなか進まない。

 新年度に入りあわただしくなったためだが、勢いとタイミングを頼りに論文を書く従来の姿勢を方向転換した方が良いのかも知れない。

 まあ、がんばるしかない。

 投稿した夜には、おいしい日本酒を呑みたい。



新年度開始

 ひさしぶりの更新。この間、春休みが始まって終わり、桜が咲いて散り、そして新年度が始まった。いくつか、トピックスを紹介。

 2月28日〜3月21日まで、米国・ニューヨーク州のAlbanyという街にある研究所に滞在。旧知の先生と共同研究の打ち合わせ、実験、論文執筆等であっという間の3週間を過ごした。

 日本を離れ、静かにモノを考えることができた、とても有意義な期間だった。

 午後5時を過ぎると、潮が引くように人が去っていく。5時半にもなるとフロア全体が閑散となる。アメリカにいることを実感した。

 帰国した2日後に卒業式。修士2年のY君、Nさん、T君が卒業した。花束と焼酎入りのムツゴロウの陶器と熊本に関する本を二冊いただいた。
 最近、布団に入って寝るまでの間に読んでいる。卒室生たちの心遣いに感謝。

 新年度、新たに4名の4年生が配属された。これまでの3年間とは大きく環境が異なると思うけれど、教員、先輩たちとコミュニケーションを深めながら少しずつ慣れていってほしい。野外調査にも積極的に参加してください。きっと、いいことありますよ。

 新年度の開始に合わせて、研究室のHPで新たに始めたことが2つある。一つ目は論文ゼミの内容紹介。いつ、だれが、どの論文を紹介する(した)かをリストにして表記した。外部の人に、少しでもゼミの雰囲気が伝わればと思っている。

 もう一つは、「ブログリレー」。ルールは、普段思っていることや感じたことを研究室のブログに書き込み、次の人を指名する。指名された人は1週間以内をめどに書き込みをして、さらに次の人を指名する、という内容。

 「話すこと」と「書くこと」は基本的に異なると思う。なぜなら、前者は会話であり複数の人が関わるのに対し、後者は単独で完結しているから。人にも寄るだろうけれど、「書くこと」のほうが、自分自身により深く向き合えるような気がする。

 学生間の相互理解を深めてほしい、ブログとはいえ少しでも「書く力」をつけてほしいと思って提案したところ、拍子抜けするくらい全員あっさり受け入れてくれた。ただし、私も加わるということで。いいだしっぺなので、断れるはずもない。

 ということで、「研究室のブログ」(http://accafe.jp/nakata_lab/index.php?%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%AE%A4%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0)を、今後ともよろしくお願いします。




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